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2020.1.3

合理的配慮

<合理的配慮>

合理的配慮とは、障害のある人ひとりひとりのニーズを考えて、その状況に応じた変更や調整などを、お金や労力などの負担が かかりすぎない範囲で行っていくことをいいます。発達障害の人たちが社会で生活をしていくために、この合理的配慮の考え方がとても大切だと考えられています。

たとえば学校では、読み書きに困難がある人のために試験の時間を 長くしたり、タブレットなどの支援機器の利用を許可したり、 さまざまな工夫が始まりました。職場でも、マニュアルなどにルビをふったり、落ち着いて作業ができるようパーテーションで区切ったり、できることから環境を整えていくことが求められています

 

●障害者権利条約における合理的配慮とは

2006年に国連総会で障害者権利条約(Convention on the Rights of Persons with Disabilities)が採択されました。発達障害、身体障害、知的障害などすべての障害のある人の尊厳と権利を保障しています。

障害者権利条約における「合理的配慮」とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう」と定義されています。

 

●日本でも障害者差別解消法が定められた

日本政府は2007年に障害者権利条約に署名し、国内法の整備を進めてきました。障害者基本法や障害者差別解消法の成立に伴い、2013年に障害者権利条約の批准を承認しています。

2016年には、障害者差別解消法(正式名:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)が施行されました。障害者差別解消法では、障害の有無に関係なくすべての国民が、相互に人格と個性を尊重しあいながら共生する社会の実現に向けて、障害に基づく差別が解消されることを目指しています。障害者差別解消法の施行に伴って、行政や学校、企業などの事業者には、障害を理由とした不当な差別的取り扱いを行うことが禁止され、可能な限り合理的配慮を提供することが求められるようになりました。

 

●合理的配慮の対象となる「障害者」の定義

障害者差別解消法において、合理的配慮を行うべき対象となる「障害者」は、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう」と定義されています。

上記の通り、心身の障害によって日常生活に困難を抱えてしまう人はもちろんですが、「社会的障壁」により困難を抱えている人も合理的配慮の対象となっています。つまり、障害者手帳を持っている人や医師の診断鵜を受けた人だけでなく、社会的な障壁によって実質的に生活に困難が生じている人も合理的配慮の対象と考えられているのです。

※引用:内閣府 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第一章 第二条 一」

 

●事業者に課される「合理的配慮の提供」

障害者差別解消法は、行政や学校、企業などの事業者に障害を理由とした「①不当な差別的取扱いの禁止」と「②合理的配慮の提供義務」を課しています。「②合理的配慮の提供義務」に関しては、障害者差別解消法の第七条―2において、「行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の 除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担 が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害 者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない」と述べられています。

行政機関においては合理的配慮の提供が法的に義務づけられている一方で、民間事業者では提供するよう努力すべきことが義務付けられています。義務を怠ったからといって罰則が定められているわけではありませんが、障害のある人が平等な権利を享受できるよう、社会的な理解を今後も広めていく必要があります。

 

<発達障害などに対する合理的配慮の具体例>

●行政

・疲労や緊張などに配慮して休憩できるようにする。
・読んだり聞いたりすることを苦手としている方のために、筆談、読み上げ、手話などを用いて意思疎通を図る。資料文書は概要を点字化したものをお渡しする。
・知的障害のある人のために、書類の漢字には振り仮名を付けるようにする。文章量が多い場合には、要点を抜粋した簡易な書類を渡すようにする。
・大勢の人がいる場所ではどうしても周囲に気が散って集中できない人のために、視界が遮られるようなスペースに案内する。

 

●教育

・聴覚過敏のある児童生徒のために、机やいすの脚に緩衝材をつけて雑音を軽減する
・視覚情報の処理が苦手な児童生徒のために、黒板周りの掲示物の情報量を減らす
・板書を見たり、授業を聞いたりすることを苦手としている人のために、授業の録音や録画を認める
・読み書きに困難がある児童生徒のために、文字を大きく表示した教科書を用いたり、音声読み上げソフトを利用したりするなどして、勉強に励みやすい環境づくりをする。
・学習活動の内容や流れを理解するのが苦手な生徒のために、次に何をやるのかわからずに混乱してしまわないよう、本人の理解度に合わせて写真や絵などを使って活動予定を事前に知らせておく。
・言葉だけの指示では内容を十分に理解するのが難しい生徒のために、身振り手振りを用いたり、コミュニケーションボードを使ったりして内容を伝える
・触覚に過敏さがあってステンレスの食器を使えない生徒のために、シリコン製やポリプロピレン製などの受け入れやすい触感の食器を用意する。
・聴覚に過敏さがある生徒のために、運動会ではピストルを使用せず、代わりにブザー音や手旗などによってスタートの合図をする。
・入学試験において、別室受験、時間延長、読み上げ機能等の使用を許可する。
・意思疎通のために絵や写真カード、ICT機器(タブレット端末等)を活用する。
・発達障害のある生徒のために、マークシート選択式の試験では問題ないが、自由記述形式の試験では書字が乱れてしまう場合があるので、罫線のある解答用紙を用意する。
・教員の話から内容を想像することが苦手な生徒のために、絵、写真、図、実物などを見せるなど、授業内容や活動内容を理解しやすいように伝え方を工夫する。
・パニックを起こしてしまう場合がある生徒のために、各授業の担当教員が生徒と事前に情報共有を行ったうえで、ほかの生徒に気付かれないように授業中の指名対象から外す。

 

●雇用・就業

・聞き取りを苦手とする人のために、業務の指示や連絡を筆談やメールなどで行う
・感覚過敏のある人のために、サングラスや耳栓の使用を認めたり、体温調整しやすい服装の着用を許可したりするなどの対応を行う
・本人の負担の程度に応じ、業務量などを調整する
・本人のプライバシーに配慮した上で、他の職員に対し、障害の内容や必要な配慮などを説明し、理解を求める(必要に応じてジョブコーチを付ける)
・机の配置が変わったり、通路に荷物が置かれていたりなど、従来とは異なる環境になると混乱してしまう人のために、机の配置を維持する、荷物は決まった置き場所に置くなどの対応を行う。配置を変更したり置き場所がなかったりする場合は、その旨を事前に伝えておく。
・聴覚過敏がある人のために、業務への集中が妨げられることを軽減できるように、人の行き来が少ない部屋で勤務できるよう調整する。また、勤務中に耳栓やイヤーマフの使用を認める。
・一度に多くのことを理解して処理するのが苦手な人のために、業務の内容を一つずつ簡潔に指示したり、複雑な指示内容はメモに残したりするなど、業務指示の出し方を工夫する。

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