プリント学習とは違う学習への取り組みやすさと選択肢の多様性。そして、VR体験がコミュニケーションのポイントを知るきっかけに。【導入事例:大阪府立むらの高等支援学校様】 | ソーシャルスキルトレーニングVR

2020.10.28

障がいのある生徒が就労を通じて社会的な自立をめざすための支援を行っている高等支援学校でも、emouのご利用が広がってきています。 今回は、大阪枚方市にある大阪府立むらの高等支援学校様に、emouをご利用いただきました。 そのご利用風景や感想についてご紹介いたします。

プリント学習と場面を体験できるVR学習の両方を実施し、比較

同じような事例について、5名の生徒様に、プリント学習とVR学習のそれぞれを体験していただきました。 プリント学習では、場面の説明を含めた事例を紙媒体で読解し、「このような場合はどうするか?」の選択肢を選んでもらいます。 またVR学習では、場面の説明はせず、すべてVRの中で体験してもらいます。

※プリント学習の例:

それぞれの体験をした後、アンケートに回答してもらうことで感想を伺いました。

その結果、『プリントでやるよりも、VRで体験するほうが取り組みやすい』『プリントよりもVRのほうが選択項目を選びやすい』など、5人中4名の生徒が、VR体験にポジティブな感想を持たれています。

実際にVR学習を体験した生徒の皆さんの感想

・(シナリオや登場人物が)怒っていたり、ツッコミがあったりしたので楽しかったし、断るセリフもわかったので役に立つと思う。
・VRゴーグルを使って映像を見るのが楽しかった。
・VRの選択項目が選びやすかった。
・VRを使ったほうが取り組みやすい。
・プリントでやるよりもVRのほうが動画でわかりやすい、楽しい。
・初めてのVRは楽しかった。

今回担当していただいた先生にお話をお伺いしました。

選択肢を迷う、ということは、様々な考え方があることを学べるということ

――――実際のVR学習を終えて、生徒さんの反応はいかがでしたでしょうか。

VR体験を伴う学習は、プリント学習よりも、積極的に取り組んでいたのが見受けられました。 そして、VR学習は、肯定的な感想が多くありました。

――――先生から見て、プリント学習とVR学習との大きな違いはなんでしょうか。

VR学習とプリント学習との大きな違いは、選択肢を考える際に、人の表情や周りの状況が把握しやすくなっていることが影響していると思われる点です。 様々な状況を踏まえて選択肢を選ぶということは、コミュニケーションのポイントを知るきっかけに繋がります。

実際にVR学習を取り組んでいた生徒からは、『これかなぁ』『あれのほうがいいかな』などと、プリント学習の時よりも選択肢に迷っている姿が見られました。この「選択肢を迷う」ということが、生徒にとって、様々な考え方があることを学ぶことができた、と言えるでしょう。

――――VR学習を実施するうえでのメリットは他にもありますでしょうか。

VR学習では、相手の表情や周りの状況など、文字情報ではわかりにくい且つ重要な情報に、気がつくことができます。より自分ごととして捉えることができ、リアルな体験となります。 そして、そのリアルな体験を何回も繰り返すことができることと、選択肢を変えてやり直すことができる点も、生徒達には良い学びになりました。

emouは、教育の現場でも、もっと活用したいと思える教材です

――――最後に、学校教育の現場でのemouのご活用についてのご感想やご希望をいただけますか。

実際に使用した生徒から、これからもVRを使用した授業を希望する声が挙がっていますし、PTAの役員会でも紹介させていただいたところ、保護者の皆様も大変興味や関心を示されていました。 教員の立場からも、emouは幅広い可能性があり、もっと活用したいと思える教材です。

プリント学習との比較は、とても興味深い結果であり、emou事務局としても参考にさせていただきます。 また、学校教育の現場の支援でも、emouをより活用していただけるよう、コンテンツなどを充実してまいります。 このたびは、どうもありがとうございました。

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