アメリカの大手銀行が、「働いているフリ」をしていた従業員を一斉に解雇したと明らかにしました。
■キーボード操作の偽装とは?
在宅勤務であるテレワークと出社勤務を組み合わせたハイブリッドワークを導入しているアメリカの銀行大手「ウェルズ・ファーゴ」。先月、意外な理由で従業員を解雇したことが明らかになり、波紋を広げています。
アメリカ銀行大手「ウェルズ・ファーゴ」
「仕事をしているかのような印象を与えるキーボード操作の偽装に絡む調査の結果、解雇した」
実際は働いていないのに、働いているフリをしていた投資・資産管理部門の従業員10人余りを一斉に解雇したというのです。
キーボード操作の偽装をして、働いているフリをしていたとは一体どういうことでしょうか?
海外のセキュリティー企業が調査した企業の78%は、従業員の働きを監視するためのソフトウェアを使用しているといいます。中でも監視する内容として最も多いのが、従業員が「訪問したウェブサイトやその閲覧に費やした時間」をチェックするものです。
こうした動きに対抗したのでしょうか、アメリカのメディアは、解雇された従業員が「マウスジグラー」と呼ばれる機器などを悪用していた可能性があると報じています。
■「マウスジグラー」テレワーク普及で人気に
アメリカの通販サイトでマウスジグラーと検索すると、たくさんの商品が出てきます。多くの種類が販売されているマウスジグラー。どんな機能があるのでしょうか?
ITジャーナリスト 鈴木朋子氏
「マウスジグラーというのは、マウスのカーソルを自動で動かすデバイスやソフトウェアを指します」
実際に使ってみると、マウスを触っていないにもかかわらず、画面上でカーソルが勝手に動いています。
鈴木氏
「マウスジグラーを使うと、パソコンの自動ロックやスリープを避けることができる」
こうした機器は、コロナ禍にテレワークが普及したことによって人気が広がったといいます。
鈴木氏
「パソコンが稼働状態。マウスやキーボードが動いていると、『今、仕事をしています』と(オンラインで)会社の人に伝わる。“サボっていないように見せる”ため、マウスジグラーを使ってマウスを小刻みに動かしておくというような使われ方がしている」
番組が従業員の「パソコンを監視していたのか」と銀行に問い合わせると、こう回答がありました。
「ウェルズ・ファーゴ」広報
「ウェルズ・ファーゴは、従業員に高い就業意識を求めています。それに反する行いは許していません」
「仕事をするフリ」が、テレワーク中だったのかオフィスに出社した際だったのかは明らかにしませんでした。
(「グッド!モーニング」2024年6月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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