【2025.08.08 OA】
記録的な大雨から一夜明け8日、住民たちは片付け作業に追われていました。金沢ではなぜ、これほど浸水被害が拡大したのでしょうか。見えてきた課題とは…
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https://news.ntv.co.jp/n/ktk/category/society/kt046c5a91574240438fdf67a53933a718
記録的な大雨から一夜明けた8日朝。
冠水した道路を歩く馬の姿が…
「緊急事態だから、出せる馬は全部出す」
金沢競馬場では、浸水した厩舎から馬を避難させていました。
7日の大雨で、厩舎は馬の膝上あたりまで浸水し、600頭ほどが身動きがとれない状況に。
厩舎関係者:
「手前のほうで膝下ぐらい、奥につれて厩舎が低いので、腰まで水がつかっちゃう」
一夜明けても茶色く濁った水は引かず、あたり一帯は川のような状態で、一部の馬は市外の施設に避難させることになりました。
すべての馬の生存確認はできているものの…
金沢競馬厩務員・宮崎 義幸 さん:
「(馬は)泥水の中で、バチャバチャしてる。あまりに水浸しだと(馬の)爪がやられちゃう。爪がやられちゃうと(地面を)蹴られなくなる」
金沢競馬場調騎会・加藤 和義 会長:
「だいぶ心配ですけど、本当に助けたい。その思いだけです」
レース再開の見通しはたっていません。
東蚊爪町にあるこちらの自動車会社では、片付けに追われていました。
自動車会社の経営者:
「事務所の中も40センチぐらい水がつかりました。機械類が全部だめですよね」
客から預かっていた車は、高台に避難させて無事でしたが、整備用の機械や台車が浸水しました。
自動車会社の経営者:
「正直何からしていいのかなと、お盆休みに入るので、その期間利用して片付けしようと思ってます」
大浦公民館は、建物に被害はなかったものの…
大浦公民館・村上 吉春 館長:
「ここは見た通り全部水没しまして、倉庫が泥だらけに。災害ゴミで使えないものは処分しますので」
倉庫が浸水して泥が入り込み、町民たちが使う防災道具などを廃棄せざるを得ない状況となっていました。
道路の冠水により大浦町では、避難所となっていた小学校に、8日朝まで小学生を含む12人が避難していました。
金沢市に出ていた避難指示は、8日朝6時半に、すべての地区で解除されました。
観測史上最大の雨量となり、道路の冠水や土砂崩れが相次いだ金沢市。避難指示は、最大5万8000世帯あまりと広範囲にわたりました。
中でも今回、被害が目立ったのは、大小多くの河川が流れ込む河北潟周辺の地域。
水田や畑が広がり、農業用の用水路も複数ある場所です。
被害の状況を確認するため、8日午後から金沢市の村山市長が現地を視察し、住民たちの声を聞きました。
住民は:
「水が引かなくて、どうにもならない」
「周りの住民からどうなっとるんやと、排水機作動させて排水させろと」
課題として挙げられたのは、排水機能の弱さ。
金沢市・村山 卓 市長:
「水路がたくさん通っていますので、市内全体の水を流すことができない状態になっていました。海水の潮位が高い状況ですと、川も流れなくなるので、こうした浸水被害につながった」
7日は大潮で、金沢の潮位は、通常より30センチも高い状態でした。
自然災害科学の専門家も今回の被害の大きさをこう話します。
金沢大学・藤生 慎 教授:
「河北潟は潟なので、いろんな所から水が流入してくるという自然的にそういう条件になっている。そこに短時間に大量の水が一気に流れ込むことで水があふれだしてしまう。本川は河川改修が入っていて、流下能力はずいぶん高くなっている一方で、支流といわれる小さな支川は、まだまだ流下能力が不十分なところがいっぱいあるので、そういうところはポンプの力を使って、本川に向かってどんどん水を排水する仕組みも非常に有効。 かつ今後、豪雨が増えてくる中で非常に必要なことかと思います」
金沢大学・藤生 慎 教授:
「普段、そんなに流れていない河川でも、短時間に多くの雨、特に線状降水帯ができるような雨が降ると、一気に増水するという認識をまずは持ってほしい」
大雨から一転、晴れた石川県内。
しかし、羽咋市の沖合では、竜巻のような突風が目撃されたとして午前10時半ごろ、気象台は注意情報を発表しました。
県内は、夜遅くにかけて大気の状態が非常に不安定となる見込みです。
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