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2019.6.5

自閉症スペクトラム障害の三つの特徴〜社会性・コミュニケーション・想像力の困難〜

<自閉症スペクトラム障害に共通した三つの特徴>

自閉症スペクトラムという概念によって、一見しただけでは共通点が分からないような多様な事例が「自閉症」に含まれることになりました。そこには三つの大きな共通した特徴が存在しています。

◆社会性の困難

◆コミュニケーションの困難

◆想像力の困難

たとえ自閉症の症状が多彩であっても、これらの特徴は、程度の差こそあれ、確実に共存するとされています。それぞれの特徴に関して、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

●社会性の困難-視線の交錯

自閉症スペクトラム障害を抱えている人は、人付き合いが苦手だと言われています。相手の目を見て視線を合わせることが得意でなかったり、手を繋ぐといった身体的な接触を苦手としていたりする場合が多くあります。

視線を交差することが難しいために、相手からは「話をきちんと聞いていない」「目を見て挨拶できない人間だ」と思われ、良好な対人関係を築くことが難しくなることもあります。

幼少期から周囲の批判に晒され、孤立感や疎外感を深く抱いて育ってしまうと、大人になっても自分に自信を持てなくなり、過剰な心配をして思うように行動できなくなってしまう場合もあります。こうした二次障害が原因で、社会に出ていくことに恐怖を抱いてしまう人も少なくありません。

 

●コミュニケーションの困難①-言語的・非言語的な意思疎通の難しさ

カナー型の自閉症は、言葉の発達の遅れを伴うため、コミュニケーションの基本である話す、聞く、読む、書くという行為を苦手としています。そのため、人とのコミュニケーションが難しくなりがちです。

一方、高機能自閉症の場合には、これらの発達の遅れが見られない場合が大半です。しかし、コミュニケーションは言語的なものだけではありません。表情や声音から相手の感情を読み取ったり、身振りや手振りで相手の意図を把握したりするなど、非言語的なコミュニケーションは日常に溢れています。言語的なコミュニケーションが可能でも、非言語的なコミュニケーションは苦手とする自閉症スペクトラム障害の方々は多くいらっしゃいます。

 

●コミュニケーションの困難②-感情の推察、隠された意図の汲み取り

非言語的なコミュニケーションにおいては、相手が今怒っているのか、悲しんでいるのか、楽しんでいるのかなどを、表情や声から理解することが求められます。相手の感情を察することがうまくできないために、相手の心情を気にかけず一方的に会話を進めてしまい、相手との関係がうまくいかなくなることもあります。

会話の裏に隠された意図を察することも苦手です。言葉を文字通り受け取ってしまうため、例えば冗談や皮肉のような言葉の裏に隠された意図を読み取ることができず、円滑なコミュニケーションが妨げられることもあります。会話が成立しにくくなることで、周囲の人間が当人を避けるようになったり、当人自身が周囲とのコミュニケーションに消極的になったりしてしまうなど、対人関係を築くことが難しくなってしまうのです。

 

●想像力の困難①-相手の感情の推察

コミュニケーションの困難でも述べたように、自閉症スペクトラム障害を抱える人は、明確に伝えられていないメッセージを読み取ることが苦手です。それは相手の表情や声から意図を読み取るということだけでなく、相手がどう感じているのか、どう思っているのかという相手の気持ちや心情を理解することにおいても同様です。

自分を相手に置き換えて想像することが難しいため、「太ってるね」「老けていますね」といった、相手の気持ちを考えない失礼な発言をしてしまうことがあります。そのため、その場の空気を読むことができない、人に合わせて行動できない、相手との適切な距離感が掴めないといった困難に見舞われることになります。

 

●想像力の困難②-暗黙のルールの理解

また、社会には暗黙のルールが多く存在しています。見ればわかるだろうと思われることでも、自閉症スペクトラム障害を抱えた人には分からないことが多く存在しています。

母親から「洗濯物を見ていてくれ」と言われたら、もし雨が降ってきたら室内に取り込んでくれ、という意味合いを含んでいるでしょう。大半の方はそのように母親の意図を汲んで、行動に移すはずです。しかし、指示を文字通りに受け取ってしまい、その先を想像できないのであれば、雨が降ってもじっと洗濯物を見ているということになってしまいます。

どこかに旅行に出かけた場合。大半の方は、普段お世話になっている周囲の方々にお土産を買って来るでしょう。これはルールではありません。暗黙のお約束とでも言うべき行動です。しかし、自閉症スペクトラム障害を抱えた人たちは、こうしたことに想像が至りません。そうすると、周囲の人びとから冷たい視線に晒される事態にもなりかねないのです。

 

●想像力の困難③-強く限定的なこだわり

想像力の範囲が狭く深いために、特定の物事に強いこだわりを持ったり、変化への抵抗が激しくなったりします。言い換えれば、興味や関心の対象が非常に限定的で、大きな偏りがあるとも言えるでしょう。

物事の順番ややり方などへの強いこだわりがあり、変化を極端に嫌います。幼児期には「もの」に対するこだわりが多くなりますが、それ以降は「対人関係」におけるこだわりも強くなってきます。

こだわりが強いあまり、急な状況変化へと対応することが非常に苦手です。変化に合わせて臨機応変に対応することができず、すぐには気持ちを切り替えられずにパニックに陥る場合もあります。強いこだわりを持っている背景には、変化に対する大きな不安があります。

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