2020.12.09
<株式会社ポラリス>
北海道函館市で放課後等デイサービスや就労準備型放課後等デイサービスを運営。小学校〜高校生の受給者証を取得した方が通うことのできる療育施設で、コミュニケーション能力や社会性を身につけるための集団療育を行い、コーディネーション運動をメインとした運動療育プログラムが充実しております。中高生を対象とした就労準備型放課後等デイサービス「ポラリスひろばNEXT石川教室」の斎藤様、瀧本様にお話をお伺いしました。
利用者3〜4名はVRが目的で通所
――――現在はどのようにemouをご利用いただいていますか
emouを導入してから半年ほど経ちましたか、今は定期的に週に1回で利用しています。事前に1ヶ月のスケジュールを決めて実施しています。曜日によって通所される方が異なるので、曜日は固定せず、皆様が受講できるようにしています。月の1週目は月曜日、2周目は火曜日など。そして、スケジュールを利用者に共有しています。
利用者によってはVRがあるからその日に合わせて来られるよう調整している方も3〜4名ほどいらっしゃいます。そのような方は毎週VRを体験されていますね。
――――お子様が楽しみにされているのを聞いて嬉しく思います。実際の支援はどのようにされているのですか?
平均10名ほどでSSTを実施しています。1回のセッションは50分で行なっていますね。
対象は中2〜高3が多いかなと思います。同時に参加される方の学年はバラバラですが、できるだけ全員が参加できるような工夫をしています。
セッションで利用するコンテンツは、毎月のテーマに沿って決めています。
セッションの冒頭で、その時のテーマを説明し、注意事項なども共有します。その後、VRを体験してもらいます。
5台のVRゴーグルを、1回目、2回目と分けて体験します。
また、同時に、プロジェクターでの投影を行い、VRゴーグルを装着していない人も一緒に見てもらいます。
VR体験後は、グループワークを行ないます。その際の司会は、全部子どもたちで分担して行なっているんですよ。
VR体験後のグループワークが利用者の理解度の調整に大事
――――子供の年代もレベルによって理解度も異なると思うのですが、どのように工夫されていますか?
そうですね、お子様一人一人理解度が異なりますので、そこはグループワークで調整しています。グループワークでは、それぞれVR体験して感じたこと、気づいたことを共有していただいています。理解のレベルによって、共有することが難しい場合は、他の人の意見を聞いて、このような意見があるんだということを理解していただく機会にしています。
――――VR体験だけではなく、その後のグループワークによって、お子様の異なる理解度を調整することができるのですね。グループワークがとても大事ということがよくわかりました。
ところで、VRに対するお子様の反応はいかがでしょうか。
反応はいいですね。中には何回でもやりたいと言う子も。
以前のSSTではイラストを使った口頭説明だったり、ロールプレーでイメージしてもらっていたりしていたのですが、自分ごととして捉えきれていないところがありました。
しかしVRだと、本人の体験になるので、わかりやすいらしく、気づきも多いですね。VRで体験することで自分ごととして捉えやすく、「これまでに似たことがあった」などの自身の経験との照らし合わせも行うことができていました。
距離感についてはVRならではの体験学習
――――VRだと本人たちも身近に感じるのですね。他にVRならではの変化や気づきなどありましたか。
特に距離感についての気づきは、VR体験ならではかなと感じています。
お礼を言うときにどの位置から言うのが適切かを体験学習できるコンテンツがあるのですが、一番近いところからお礼を伝えた際、意外と近いんだなということがわかったらしく、「距離感について意識しようと思いました」との意見もありました。
VRだと、人との距離感もリアルに体験でき、その時の相手の反応なども見れるのでいいなと思いました。
――――VRをうまく利用されてSSTを実施されているのですね。他に希望するコンテンツなどはございますか。
思春期の子たちには、感情が可視化される感情メーターのコンテンツがあるといいかなと思いました。
思春期という時期なので、友達とのコミュニケーションでの感情の変化などや、家族・社会での感情のコントロールなど体験学習できるとより良い支援になると思います。
ありがとうございます。今回は、貴重なお話を聞かせていただきました。
VRとグループワークをうまく組み合わせて、一人一人に気づき・学びがあるようなプログラムを構成されています。
今後も定期的にご利用いただき、新たなご意見・ご要望をいただけば幸いです。