放課後等デイサービスの報酬改定について解説 | ソーシャルスキルトレーニングVR

2020.11.03

放課後デイサービス事業においては、報酬が単位制で定められています。事業所は行ったサービスの内容を単位ごとに加算することによって料金を徴収できる仕組みとなっています。また、この単位と報酬区分については、定期的に調査と改定がなされています。サービスの実施状況や現場の業務量、利用者の利便性などを考えて、同じサービスでも減額もしくは増額されることがあります。また、新たに報酬が加えられる事業内容が出てくることもあります。 報酬改定は、特に人員配置の状況によって変わることが多い傾向にあります。資格保有者が多く配置されている施設については報酬単価を上げる、一方で職員の不足が続いている場合は減額するなどの内容です。こうした人員配置状況の違いは、サービスの質に直接関わることだからです。また、資格保有者の配置については、安全かつ法律を順守したケアを継続して行えるかという点にも関係するためとても重要です。こうした人員配置の基準をおろそかにすることがないよう、報酬改定管理が行われています。 これまで、放課後等デイサービスについての報酬改定は複数回行われております。平成30年度の報酬改定が代表的です。一見すると、この改定内容においては、報酬総額が増額される傾向があります。しかし、最終的に受け取れる報酬が減っているのが現状です。なぜなら、基本報酬の中に、205単位もある「児童発達支援管理責任者選任加算」が組み込まれてしまっているためです。

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このような全体的な調整と共に、人員配置に関してはいくつか変更がなされています。定員ごとに施設が受け取れる報酬単位は異なりますが、どの区分においても基本報酬としての単位は上げられています。特に指標規定該当の受け入れをしている施設において、報酬の増加率が高くなっています。この指標規定該当というのは、入浴と食事、排泄、移動の4つの行動のうち、3つの行動について全介助が必要な児童を受け入れているかどうかということです。 また、資格保有者の配置に関係する報酬規程も変更されています。改定後、福祉関係の専門資格である社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士または公認心理師が、常勤職員の35%以上の場合、1日当たり15単位加算されることになりました。資格保有者の割合が25%以上である場合は、1日当たり10単位の加算となります。 反対に、配置基準をしっかりと満たせない場合の減額分についても報酬改定がなされています。改定後では、児童発達支援管理責任者が欠如している場合に、期間にもよりますが30%の減額となるということになっています。十分な人員確保ができない施設については、かなり報酬減額がなされますので、事業者としても確実に必要な人員を確保できるような策を講じる必要が出てきます。 他にも、相談業務についての報酬改定も行われています。以前は、サービス利用時、家族に対して相談支援をした場合は報酬算定ができないという規定がありました。しかし、実際には、家族は障害児童と共に施設に来て、ケアを受けている間に職員に相談をします。同一時間に相談が受けられないとなると別機会に来てもらうことになり、それでは非効率なため同一時間の相談支援でも報酬が付くようになりました。ただし、児童のケアをしている職員とは別の職員が家族への相談支援をする必要があります。 放課後等デイサービスの報酬改定は、必要に応じて定期的に行われます。既に令和3年度分の報酬改定に向けての調査が実施されています。実際の内容や規模については、調査と審査の内容次第で決まりますが、令和3年度に変更が加えられることも考えられます。施設におけるケアだけでなく、訪問支援などの幅広いサービス形態についての調査も実施されていますので、広い枠での報酬改定が実施される可能性もあります。 報酬改定の多くは、人員配置に関係する内容です。基準に定められている正しい人員配置をすることで減額されることはなく、有資格者を多く揃えることができれば報酬単位は上がります。そのため、事業所としての対策としては、利用者数に見合った人員の確保を行うことです。特に管理者や有資格者を常勤として多めに配置できるようにしておくことは大事です。さらに、報酬を確定するためには、細かな規定が定められることも多くなっています。報酬改定の細則について習熟して、どのように報酬加算されるのかを知り、実施できるようにすることが大きなポイントとなります。 参考元:

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000202403.pdf

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000193396.pdf

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