2020.11.03
SSTとは「ソーシャル・スキル・トレーニング」の略で、社会生活を送るために必要な機能を訓練するためのものです。SSTはかなり広い範囲で活用されており、社会人としてのコミュニケーション能力を高めるために行われます。一般のビジネスマンが講義を受けることもあります。また、精神科関係の医療従事者や保育士などが、その仕事に関係するスキルを高めるために学ぶケースも多くなっています。 さらに、児童へのケアを行う従事者も、その職務を行うにあたって必要な技術や知識を身に着けられるということから、SSTを受講する例も多く見受けられます。SSTは基本的に講義を受けることによってスキルを身に着けるというものです。しかし、それぞれのグレードの講座を修了することによって修了資格をもらうことができます。また、SSTを行うトレーナーや講師としてSSTを施す立場としての認定講師資格もあります。こうした資格、もしくは講座修了経験は、福祉の現場で必ずしも必須というわけではありませんが、役職や業務内容によって求められることがあります。 SSTと関係する資格としては、児童発達支援管理責任者があります。これは、学習障害や発達障害などを持つ児童をケアして、社会生活を送るための総合的な支援をするスキルを証明するもので、その管理者として高い知識と技能を持っている人だけが持てます。SSTの知識がそのまま含まれていますので、とても関係の深い資格といえます。 児童指導員または保育士もSSTとの関連性が深い資格です。児童を預かって身体的、また精神的な支援をすると同時に必要な訓練をするための資格です。ケアに当たる対象者とのコミュニケーションを取るためにも役立ちます。また、対象者に社会生活を送るための訓練を与える際にも利用できます。 管理者は、放課後等デイサービスなどの事業を行う際に配置が指定されている役職です。従事者を管理する立場にありますので、適切なコミュニケーションを取ってマネジメントをするためにも、SSTで身に着けたスキルは大きな助けとなります。 機能訓練担当職員は、身体障害もしくは精神障害を持つ人に対して、作業療法を始めとする訓練を行うことによって機能回復ができるようにサポートする仕事です。対象者との緊密なコミュニケーションが必要とされる仕事で、それぞれの状況や身体的問題を把握するために、SSTのスキルは助けとなります。 SSTを受講してスキルを習得するだけでなく、自分がSSTを行うトレーナーとして活躍することもできるようになります。認定講師の資格を取るためには、SST研修に参加していることが必須条件となります。また、一般社団法人SST普及協会が定めるガイドラインに沿って行われる研修で、認定講師としてのスキルや手法を身に着けることになります。講義は初級、中級、上級者に分かれており、段階を踏んで認定講師となるための訓練を受けていきます。こうした養成機関を修了することで、認定講師としての資格試験の受験資格が得られます。試験では知識を問う試験と共に、技能を問う試験もあります。
詳しくはコチラ
認定講師としての資格を持つと、自身でSSTを教えることができるようになります。一般企業や教育機関に赴き、日常やビジネスで利用できる社会的なコミュニケーションが能力を訓練するための講義を行うこともできます。 また、医療や福祉に関係する従事者に向けて、各分野ごとに関係したスキルを絡めて研修を行うことができます。SST研修を修了することでもらえる修了資格は、福祉の仕事で活躍する機会を増やすことにつながります。児童ケアに欠かせないスキルと専門知識を持っているということを証明できますので、質の高い仕事ができるようになりますし、転職や就職のチャンスを高めることにも繋がります。 SST関連の資格は民間資格です。一般社団法人SST普及協会が、様々な場所で実施されている定期的な研修会の情報を提供しています。協会が提供している情報をチェックし、最寄りの場所で開催されている研修会に参加することから始めましょう。また、SSTについての知識や技術を高めるための専門書籍も出版されていますので、独学でもスキルを培っていく努力を同時に進めるのも重要です。 とはいえ、資格保有者であっても、現場で働くためには実務・経験を積むことが必要になる職種もあります。そのため、ご自身が目指している職種の必要要件を改めて確認し、今からでも働き始めることも重要かもしれません。認定講師としての資格であれば、協会が主催する認定講師研修会に参加する必要がありますので、時期と場所について同協会のホームページでチェックして参加申し込みをしましょう。 学齢期の対人関係や集団行動から就職活動における面接対策、職場体験など、人生を上手に営んでいくための技能を獲得する学習プログラムです。 VRで日常のリアルな場面再現が簡単にできるため、
・SSTを実施できるスタッフがいない
・SSTの準備に時間がかかりスタッフの負担が大きい
・専門スキルの高い職員が不在/採用できない といった施設様でも良質なトレーニングを提供することができます。
厚労省補助対象にもなった注目のVRによるSSTとは?