放課後等デイサービスを開業したい!設備基準を詳しく解説 | ソーシャルスキルトレーニングVR

2020.11.10

障がいを持っている、また障がいを持っている可能性がある子どもたちを預かり、放課後や夏休みなど長期休暇期間中に療育を行うのが放課後等デイサービスです。 施設の定義から考えても、適切な療育を提供・維持できるだけの環境(施設・設備)が求められるのは容易に想像がつくでしょう。実際に、放課後等デイサービスの施設を開業する上では一定の基準をクリアする必要があります。 では、どのような基準が用意されているのでしょうか。 具体的な基準については自治体ごとに若干の違いがあり、施設の種類・サービス内容などによっても異なります。

しかし、基本的な部分に関してはそれほど大きな差はありません。

2.1指導訓練室の面積

放課後等デイサービスの特徴は、子どもを預かるだけでなく指導・訓練を行うことです。障がいを持つ子どもが社会に適応するために必要な訓練を適切に施せるスペースが確保されているかどうか、この基準は利用者ひとりに対する面積によって決められています。 原則として、利用者ひとりに対して2.47平方メートルの指導訓練室を確保することが法令によって定められています。ですから、どれぐらいの子どもが施設を利用しているかによって必要な面積が異なります。 ただし、法令を原則としつつ、各自治体ごとに独自の目安や基準を設けている場合もあります。より厳しく、ひとりにつき3平方メートル以上の面積を求めている自治体もあるので、開業予定地自治体の基準を必ず確認しておきましょう。 子どもを預かって療育するわけですから、子どもが長時間過ごすことを前提とした上で必要な施設・設備を用意する必要もあります。法令では、指導訓練室以外とくに明確に設置が定められた施設はありませんが、各自治体が独自に義務付けているケースがあります。 子どもはもちろん、スタッフが心地よく過ごすためにも、これらの施設をできるだけ広く、衛生的に整えておきましょう。設置しないのは問題外として、子どもが心地よく過ごせる空間を確保できるかどうかが問われます。 子どもはもちろん、保護者の悩みを聞くため(あるいは来客対応などにも)のスペースを確保しておきましょう。疲れた子どもが休むための静養室と兼ねて設置されるケースも多くあります。面積はとくに問われませんが、あまり狭く閉鎖的な環境ではなく、子どもが安心して利用できるような広さと雰囲気が必要です。 スタッフが利用するための事務室も欠かせません。また、義務ではありませんが、法令において推奨されているのが、レクリエーション活動を行うためのスペースです。多目的室を用意してこうした活動を行うケースがよく見られます。画一的な支援や指導に陥らず、その施設独自のサービスを用意する上でも、文化活動や地域の人達とのコミュニケーションを図るための場を充実させておきたいところです。 忘れてはならないのが、障がいを持っている子どもを考慮した導線です。例えば、車椅子を利用する子どもがいる場合には階段や段差に注意が必要ですし、スロープなどの設備が必要になることもあるでしょう。また、心身障がいを抱えているお子さんの場合には、自傷・他傷行為を避けるための配慮を設備や備品レベルで考える必要が出てきます。 万一の火災・地震などの災害が起こった時の避難ルートを複数用意することが重要です。障がいを持っている子どもの事情を考慮した上で、安全に避難できる導線を考えましょう。この部分に目が行き届かずに開業直前になって問題が露呈してしまうケースもあるので、早い段階からチェックしておきたいところです。 できれば屋内だけでなく外で遊べる庭などのスペースもあればよいと言われています。自分たちの施設内に用意できない場合には、学校の校庭や児童館の庭などを借りて利用できないかどうか、問い合わせをしておくと良いでしょう。 このように、法令のレベルでは、指導訓練室の面積を除けばそれほど厳密な基準が設けられているわけではありません。一定基準をクリアできれば開業することが可能です。 しかし、基準さえ満たしていればよいわけではなく、子どもたちが心地よく過ごし、指導訓練を受けられる環境、そして施設ならではの独自のサービス環境を提供できることが求められます。 今後、放課後等デイサービスへの需要拡大が想定される状況だからこそ、同業種との差別化が求められます。単に条件を満たしただけの画一的で没個性的な施設にならないよう、こだわりを設備・環境の面でアピールできるようにしたいものです。

また、自治体ごとに基準が異なるケースも出てきます。必要ならば直接問い合わせて確認するなど、対策しておきましょう。

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