【発達障がい支援】粗大運動とは

【発達障がい支援】粗大運動とは
発達障害は言語能力に限らず、身体的能力にも影響を及ぼ済場合があります。こうした症状はASDやADHDの影に隠れることがあり、単独で扱われることが少ないため、発達支援の現場では有効な対策を取ることが難しいとされています。

今回は、粗大運動に関する問題に対し、発達障害者支援を行う支援者がどのような取り組みをするべきか解説します。

1.粗大運動とは


歩く、走る、跳ぶ、のように身体的な基本動作を「粗大運動」と呼びます。日常生活の中で立ったり座ったり、姿勢を保持するような動きも粗大運動の1つです。この動きは、人間が生きてゆく上で最も基本的な運動です。

粗大運動は赤ちゃんが手足を伸ばしたりする動きから始まり、ハイハイの時期を経て歩けるようになり、成長する中で少しずつ獲得してゆく能力です。十分に発達していない子どもの場合、普段の生活にも支障をきたす可能性があるため、小さな頃から粗大運動の能力を鍛えることは、非常に重要なことなのです。

2.発達障害者支援における粗大運動とは


発達障害においては、体育やスポーツに対する苦手意識が問題となることが多いです。この傾向は、粗大運動の能力が十分に発達していないことと深く関わっているようです。

2.1 粗大運動能力が欠けている場合の問題点


体育やスポーツでは「協調運動」と呼ばれる、身体の各部位を脳がコントロールする能力が重要です。この能力の発達が遅れていると、「発達性協調運動障害」と診断されることがあります。

キャッチボールのように簡単な運動でも、ボールを見ながら軌道に合わせて身体の各部位を連携させるという、一見何でもない動きのようで、非常にバランスのとれた動きが要求されます。発達性協調運動障害の子どもにとって、一連の動作は極めて困難な運動です。

粗大運動能力の欠如は、明確な原因が解明されてはいません。しかし、脳にある種の問題があると推測されており、幼い子どもの場合、通常であれば無意識でできるような動きでも、自分でコントロールできないケースもあるため、早い段階での支援が必要になります。

2.2 発達障害者支援でできること


協調運動は、日常行動すべてに関わります。未発達の場合、あらゆる行動において一般人よりも身体に大きな負担がかかります。支援の場ではそれを意識しながら、脳の活動と身体の動きとを連携させる「感覚統合」を促す必要があります。

そこで、遊びや運動を通して子どもたちの脳と身体の統合を図ります。基本的には、歩く・走る・跳ぶ・押す・投げるなどの動きを組み合わせ、単純な行動から少しずつ難易度を上げてゆきます。

具体的な粗大運動としては、見る・聞く・触れるなどの感覚刺激により、刺激への対処の仕方をつかむと同時に、自分が好きな刺激に対して自発的に行動するように促します。さらに、すべり台やブランコなど、安定的な動作を続ける遊びによって、基礎的な粗大運動の能力を養います。

また、固定遊具での遊びを継続しながら、平均台やトンネル、トランポリンなどを組み合わせたサーキット運動をとり入れ、よりレベルの高い粗大運動も組み込むようにします。こうした遊びや運動を行う上では、以下にまとめた点に注意しましょう。

・常に子どもとアイコンタクトをとる。
・子どもの見本になるように、指導する側も同じように身体を動かす。
・最後までやり通すように促す。
・子どもが理解しやすい言葉で、やることを説明する。
・動作に合わせて声を出すように促す。

あくまでも子どもたちが、自ら進んで遊びや運動をすることが大切です。

3.粗大運動のアセスメント


発達性協調運動障害や、粗大運動の能力の欠如が疑われる場合、周囲が早めに気づき、早期に粗大運動の訓練を始める必要があります。それらを客観的に確認でき、世界でも認められている「Vineland-II(ヴァインランド・ツー)適応行動尺度」という検査方法です。

Vineland-IIでは、0歳から92歳までの年齢層で、一般人の適応行動を基準にして、発達障害や知的障害の人の適応行動を、客観的に数値化して評価することができます。適応行動とは「個人的・社会的な充足を満たすために必要な日常生活における行動」と規定されています。

適応行動は、「コミュニケーション」「日常生活スキル」「社会性/対人関係」「運動スキル」4つに分けて評価します。実際にはこの4つの分類に下位領域があり、粗大運動は「運動スキル」の領域で評価されます。

4.粗大運動の重要性


粗大運動は運動神経の発達とも関わっており、未発達のままでは学校生活や社会生活に支障をきたす可能性もあります。粗大運動の未発達を改善するためには脳の働きと、身体の動きとを連携させる訓練が効果的です。子どもたちが楽しみながら、自ら進んで参加できる遊びや運動を、発達障害者支援の現場でも積極的にとり入れることが重要なポイントになるでしょう。
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