2020.11.10
放課後等デイサービスを運営していくための基準が設けられており、開業時に満たしておく必要があります。基準を満たさないと開業することができないのはもちろん、運営を続ける上でも重要なポイントとなります。 例えば、開業当初は運営基準を満たすことができたものの、その後スタッフの離職や新規のサービスの導入、施設の設備・環境の変化などによって基準を満たせなくなってしまうケースも考えられます。その場合、行政指導や注意が入るなど、トラブルを抱えかねません。 開業時には運営基準を満たすだけでなく、その環境を維持し続けられることを前提に、計画・準備を行っていく必要がありますし、開業後も常に基準を満たした環境づくりが問われます。 放課後等デイサービスの運営基準の特徴は様々な面に及んでいることで、単に人員や設備を整えるだけでは十分ではありません。障がいや問題を抱えている子どもたちを安全に預かり、指導訓練を行うにふさわしい環境が用意されているかどうかも重要なポイントとなります。 まず開業時の大前提として、放課後等デイサービス開業計画が作成されているかどうかです。どのような施設サービスを提供するか、利用する子どもの問題や特徴などを踏まえた上でどのようなサービスを提供するのか・できるのかをあらかじめ計画しておきましょう。 また、あくまで子どもの生活環境全体を考慮した上での計画が求められるため、子どもが通う学校教育支援計画と連動させるよう注意しましょう。 単に「自分たちはこんなことをやりたいんです」というだけでは指摘を受ける可能性もあります。 施設規模の基準も定められており、10人以上の子どもを受け入れることができる規模にあるかがポイントで、人員基準にも関わります。 単に利用者定員を10人以上の施設規模や敷地面積があるだけでなく、定員全員に目が行き届いた上で適切なサービスが提供できるスタッフが所属しているかも基準の一つです。 特に、定員に応じた児童指導員や保育士を確保できるかどうかを合わせて準備していくことが求められます。 なお、サービスの対象となる子どもが重症心身障がいの場合には、5名以上でも認められます。 保護者の立場からすれば障がいや発達上の問題を抱えているお子さんを預けるわけですから、安心して任せられるかどうかがとても重要なポイントとなります。そのため、施設の側があらかじめサービスの内容はもちろん、施設・環境などについて詳しく説明を行い、同意が必要となります。 また、サービスの内容に対して利用者がどの程度費用を負担することになるのかも明確に説明し、納得してもらうことも大切です。こうした点を曖昧にしておくと、後日さまざまなトラブルに陥りかねません。 施設は、利用者の保護者が同意をした上で、はじめてサービスを提供できる形になります。 利用者管理台帳とは、施設を利用する子どもたちの振る舞いや、指導・管理の進捗具合を記録するものです。 保護者に対し、どのようなサービスや指導訓練がお子さんに行われているのかを説明するとともに、トラブルが起きた場合の状況説明としても利用します。また、保護者からのクレームや要望などの記録としても利用されます。 子ども達の病状が急に悪化したり、怪我をしたりなどに迅速に対応できる環境が必要です。施設には嘱託医の設置が義務付けられていますが、利用者本人の主治医ともうまく連携し、処置を施せる環境づくりも必須です。 このような運営基準を満たし、また満たし続けることではじめて放課後等デイサービスの運営が成り立ちます。 運営基準を満たしていない、もしくは運営中に基準を満たせなくなってしまった場合、行政より改善命令が指示されます。実際のところ、開業後に指導を受けるケースは多く、運営基準を満たし続けることは決して容易ではないことも伺えます。
施設の信用にも関わるため、運営基準のもと、適切なルールでスタッフが働き、保護者が安心して子どもを預けられる環境を徹底しなければなりません。